理事長所信

はじめに(人生二度なし)

私がJCに入会する頃、義理の母に「男の40代以降の顔は30代の生き方で作られる」 と言われたことが、今でも頭から離れません。確かに、中江藤樹、法然、親鸞、道元、外 国でも王陽明など、優れた先人たちの多くは、ほぼ例外なく30代の10年間に、その人 の一生の土台を築いているように思います。青年時代は人生の過渡期であり、仕事も家庭 も一番忙しい時期です。しかし、そんな30代だからこそ、自分の為ではなく、人の為に 時間と労力とお金を費やし、真の生きる意義や働く意義を、生まれてきた意味を問うべき だと思います。そして、「奉仕 修練 友情」という三信条から、見事なまでにその答えを 提供してくれるのが、ここ青年会議所という場所です。

私は入会してから今まで、同期はもちろん、多くの先輩方や出向先でたくさんの仲間と 出逢って参りました。どの人も志が高く、それぞれに魅力が有り、彼らとの出会いは学び の連続、刺激の連続でした。私自身を高めてくれたのは紛れもなく、敬愛する先輩方から の叱咤激励、仲間の真の友情、圧倒的な存在感とリーダ-シップを併せ持つ本物のJAY CEEとの出会という感動体験です。青年会議所活動は、知れば知るほど奥が深く、人財 の宝庫であり、そのネットワークは海を超えあっと言う間に世界と繋がりました。私は変 わることができたと実感しています。それは、これまでのJC生活を逃げずに走り続け、 一歩一歩積み上げることでそれらを全うしてきたからに他なりません。

青年会議所活動は、人から影響を与えられることもあれば、自らの考えや行動が人に影 響を与えることもあるというプラスの歯車です。はっきりと言えるのは、他人の考え方や 生き方を敬うことのできる人間は、「自分の想いや生き方」を、さらには「他人の生き方」 さえも劇的に変えてしまうことがあるのです。そう考えると、常に真摯に活動に取り込む ことこそが最も大切なことであるということに他なりません。

二度はない人生です。さぁ、今この瞬間から共に腰骨を立てて、前を向き、肯定的に物 事を捉え、人の良いところを常に発見し、大きな夢を未来有る子供たちの前で堂々と語れ る大人に成りましょう。輝く大人になるために、迷った時は自分自身を信じて“王道の行 動をとる”ことを恐れず進んで参りましょう。そして、あなたの想いを伝播して、人に影 響を与え続けて参りましょう。

「私たちには日本人の熱い血が流れている その誇りを持とう。本を読んで見識を広げ学 び、優先順位を決めて行動せよ 悩む時間を惜しめ 元気出してさぁ前に進もう」(坂の上 の雲より)

65年の伝統を背負い、輝ける西宮青年会議所へ

脈々と紡がれてきた西宮青年会議所の伝統と誇りは、今年で65年を迎えるまでに至り ました。半世紀以上もの間、常に志を同じくする者同士が集い、率先して取り続けた行動 は社会の原動力となって来ました。65年という節目を迎える年だからこそ、私たちはこ の団体の歴史を紐解き、先輩方は現役当時に一体何を感じ、どんな想いがそこにあったの かを知らなければなりません。正に「温故知新」の精神で『故きを温ねて新しきを知る』 ことこそが、活動歴の短い会員が多数を占めるようになっている今の私たちに必要なこと です。そして、私たち後輩へしっかりとバトンを引き継いできてくださった先輩方に感謝 し、脈々と紡がれてきた西宮青年会議所の伝統と誇りを守りつつ、新しい西宮青年会議所 を創造していかなければなりません。

ここで、私が思う西宮青年会議所の伝統とは、「セレモニーへのこだわり」「礼節を重ん じる心」「認証番号5番である誇り」であると考えます。
まず、「セレモニーへのこだわり」とはJCIクリード、ミッション、ビジョン及び宣言 文を皆の足並みを揃える為に声高々に唱えることであり、設営においては机ひとつ椅子ひ とつの並び方にまで気を配り、細部に至るまでこだわりをもつことだと考えます。毎日綺 麗にしている道路では誰もゴミを捨てようとしないように、高い意識を保つためにはまず 環境づくりが必要です。厳格なセレモニーを行える環境が整うからこそ、精神も入ってく るのです。伝統ある西宮青年会議所のセレモニーを今こそ再認識すべきときです。
次に、「礼節を重んじる心」とは『人への感謝の気持ちを行動に示すこと』です。私が敬 愛する現代教育哲学者の森信三先生は、次のようにおっしゃいました。「明るい挨拶人より 先に」「返事は短く、はいっ」「履物を揃え、椅子は戻す」(※人の履物・椅子も片付ける心 をもつ)、この生活する上で至極当たり前のことが、生きる上で最も大切な人としての基盤 だと。これらを『躾三原則』と言い、人間の根っこの部分であると言えます。更に職場三 原則として、「場を清め 時を守り 礼を正す」があります。地域のリーダーを目指す私た
ちJAYCEEだからこそ当たり前のことを当たり前に出来る人間でありたいと強く願い ます。
最後に、「認証番号5番である誇り」ですが、日本青年会議所のチャーターLOMでもあ る我が西宮青年会議所は、終戦直後のまだ国家再建もままならない時代に国内において5 番目に創設されました。西宮青年会議所を設立した先輩方は、戦後で自分の会社すら再建 中だったかも知れない中で、他人のことを憂い、まちの再建を願い、日本の未来を考え行 動し、後世に残す偉業を成し遂げているのです。私たちに与えられた認証番号は高い精神 性と志、そして率先して行動する気概を象徴するものであり、私たちの誇りそのものなの です。私たちは先輩方の行動に敬意を表し、認証番号5番である誇りを胸に活動を続けな ければなりません。
この三つの西宮青年会議所の伝統を重んじながら、日々の活動において小さな事も疎か にすることなく、まさに『積小為大』の精神で、小さな事を一つひとつ見直すことで、大 きな業に繋がっていけるように意識改革をして参ります。

「一眼は遠く歴史の彼方を そして一眼は脚下の実践へ 」(森信三)

子供たちが大好きな輝ける西宮へ

我がまち西宮市は「文教住宅都市宣言」「子育てのまち」などを軸にベッドタウンとして 栄え、今では人口が兵庫県第三位の都市となり、49万人に達しようとしております。1900年から1930年代にかけて、六甲山系と海に囲まれた理想的な地形を有する阪神間を 中心に、近代的な芸術・文化・生活様式の総称である阪神間モダニズム文化圏が形成され ました。西宮七園と呼ばれる地域をはじめ、阪急電鉄沿線には財界人、文化人、プロ野球 選手、指導者、評論家などの邸宅が建ち並び、落ち着いた雰囲気を醸し出している穏やか なまちです。
私たちはこの西宮を2世代、3世代とずっと住み続けて頂けるようなまちにしなければ なりません。私たちに出来ることとして、まずは「まちの活性化」があります。40周年 を迎える「にしのみや市民祭り」での行政との協力体制をはじめ、各種団体や地域住民と の密な連携による各種事業展開など、様々なまちづくりの機会を提供して参ります。
また、今年は全国統一地方選挙がございます。著しく低い傾向にある選挙の投票率改善 にも取り組まなければなりません。我がまちをより良くする為に最も代表としてふさわし い方を選ぶことが如何に大切なことであるかを再認識して頂き、私たちの手で市民の方々 に行政への興味や関心を引き出して参ります。
また、全国的に少子化傾向にある中で、西宮市は緩やかながら子共の人口も増加傾向に あります。この閑静で緑豊かなすばらしい西宮を、子供たちが大人になっても堂々と「大
好き」と言えるまちにしたいと思います。子供の頃に体験した感動体験はいくつになって も忘れず心に残るものです。「自分たちも大人になったら西宮のすばらしさを伝えたい。」 と故郷を愛し続けてくれるような事業を開催して参ります。

輝くJAYCEEへ

会員拡大は今も昔も大きな課題です。西宮の歴史を学ぶことでまちに関心を持ち、まち づくり事業に参加することで郷土愛が芽生えれば、自ずと志を同じくする仲間を求めるも のと考えています。一人の力は微々たるものですが、二人、三人と増えれば増えるほどに 大きな力が生まれ、まちを活性化して参ります。これまでも多くの仲間が西宮青年会議所 に入会し、大きな自己成長を遂げて来られました。だからこそ、青年会議所活動の魅力を 広報により広く発信し、志が呼応する仲間を発見し、これまで以上に異業種が集い、高い 精神性と志を兼ね備えた団体とならなくてはなりません。会員全員で常にアンテナを張り、 心の根の部分でJAYCEEと成り得る人材を発掘して参ります。
また、入会後の育成においては『感動体験』を新会員がどれだけ経験するかが鍵となり ます。人は感動がなければ成長しません。自分が思う以上の高いハードルを敢えて求め、 乗り越えることが出来なくては、感動はありません。時間を調整し、少し背伸びをして活 動して参りましょう。苦労して修練を乗り越えるからこそ、成長することのできる感動が 待っているのです。一人ひとりが修練を求め、乗り越え、『感動体験』をひとつでも多く経 験できるように機会の提供を致します。

「人間は一生のうち逢うべき人に必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないと きに。」(森信三)

輝く愛情と友情へ

人間の幸福とは何でしょうか、力の根源とは何でしょうか。私は「人を愛すること」「人 に愛されること」だと思います。私たちが、仕事にも青年会議所活動にも真っ直ぐに邁進 出来るのは、支えて下さる家族の存在があるからです。また、後押しして下さる会社の方々 のお蔭に他なりません。だからこそ、家族との限られた時間を大切にし、感謝の言葉を口 にして伝えることが大切です。家族の愛なしでは、青年会議所活動はおろか、仕事も日々 の生活さえも空虚なものになってしまいます。忙しい私たちだからこそ、最も身近で大切 な家族を疎かにしてはなりません。
また、会社の方へ感謝の気持ちを常にもつことが大切です。私たちが青年経済人である
限り、仕事があってこそ社会で生きる意味や意義が有ると言えます。働く世代の中でも最 も忙しい時期に青年会議所活動に従事しているのが現実です。仕事を会社の人に任せてい る以上、真剣に真摯に青年会議所活動に従事し、私たちが留守をしている間に会社を支え 続けてくださるすべての方々を愛し、感謝をしなければなりません。
更には、共に活動している仲間への感謝が必要です。友情はかけがえのない一生の宝で す。馴れ合いではなく、一生懸命に共に汗を流し、笑い、泣き、感動を共有しあえるから こそ真の友情が育まれていくのです。私たちは仲間との絆を確かなものにするために、輝 く愛情と友情を構築して参ります。

「感謝はやる氣の原点」(山本紹之介)

輝く日本へ

私たちは、自分が住んでいる日本の歴史をどこまで知っているのでしょうか。道徳心が 薄れてきた現代社会だからこそ、これまで学んで来なかった真の日本の歴史を学び、真の 日本人としてのアイデンティティを先人より学ぶべきだと考えます。
活発な国際交流を行う上でも、国家の歴史や先人の精神性を学び、日本と日本人の素晴 らしさを認識することは重要です。真に「国際の西宮」となり得るには、国際社会に出て も揺るぎない日本人としての誇りを兼ね備え、堂々と日本の素晴らしさや世界に誇れる日 本人を私たち自身が広告塔となり発信して行く事が必要です。国際交流が身近になった今 だからこそ、諸外国との交流に憶する事無く、生身の人間同士、言葉の壁を越えた心の交 流を行うことがこれからの課題です。会員はもとより、青少年にも大いに日本のこと、日 本人の想いを語り合えるような心の交流が図れる国際交流を展開して参ります。

むすびに

青年会議所に入っていなければ、きっと私たちは多くの時間を家族と過ごし、仕事にも 費やすことが出来たでしょう。また、愛する家族の為、従業員の為、そして自分の為に時 間とお金が使えたかも知れません。そこにはきっと多くの喜びがあったことでしょう。し かし、私たちは貴重な青年期に、青年会議所の活動をすることを選択しました。妻や子供 たち、恋人と触れ合う多くの時間、従業員と肩を寄せ合い最も事業を安定させ拡充しなけ ればならない時間の一部を、青年会議所活動に充てることを選んだのです。
そう考えた時に、多くの方々と過ごす貴重な時間とお金を青年会議所活動においてどう 使うべきなのか、支えてくださる人々にどう還元すべきなのか、自問自答の日々でしたが、
今、私は明確に答えることが出来ます。

「JCをしない人生ではなくJCをする人生を選択した限りは、すべての与えられたこ とに対してやり抜く」それだけです。

二度と経験し得ない人生を強い生命力で力強く歩んでいかなければなりません。抗えな いこと、理不尽なこと、すべてが学びであり、すべてが将来の自分を作る為に心身共に鍛 え上げることこそが、青年期である今やるべき全てであります。
愛する家族と共に生きていく為に、信頼できる仕事仲間とより良い事業を展開する為に、 大好きな日本を明るく豊かな社会にする為に、どんな些細なことでも真剣に向き合い、そ して真摯にやり通すことこそが、青年会議所運動に邁進する私たちの使命です。家族を愛 し、西宮を愛し、日本を愛し、仲間を信じ、自らを磨き、65年という西宮青年会議所の 歴史に誇りを抱き、覚悟をもって共に走り抜けて行きましょう。

私は今年一年のスローガンを「積小為大」~感動から輝きへ~と掲げました。西宮青年 会議所の会員一人ひとりが大きな業を成し遂げる為には、日々のJC活動や仕事、家庭な ど、足下の小さく些細なことを疎かにしてはなりません。
私が思う大きな業とは、各自が掲げる自己成長を達成する為の 1 年間の具体的な目標で あり、各委員会が掲げる事業方針であり、西宮のまちや兵庫のまち、引いては日本が明る く豊かな社会を実現させることです。そして、この偉業を成し遂げる為にはまずは目の前 の事を、小さな石を積み上げる如く実践していくことでありますが、小さな実践の積み重 ねが偉業を成し遂げるということは、流水に文字を書くことのように掴みどころがないか も知れません。しかし、だからこそ岸壁に文字を刻み込むかのような迫力で真剣に取り組 まなければなりません。
更に、二度とない人生の中で最も重要な青年期を如何に生きるかを常に問いかけ、自分 がもって生まれた能力を最大限に発揮した上で棺桶に入るというくらいの意気込みで、人 生を生き抜いてみたいと思います。 そして『感動体験』を私たち自身が体感し、輝ける西 宮青年会議所活動の確立を目指して参ります。

さぁ、今日より積小為大の行動を常に念頭に置きながら1年間、輝かしいJC生活を共 に過ごして参りましょう。

「自分の力を発揮できるところに運命は開ける」(福沢諭吉)